こんにちは。aile RUNNING CLUBビギナークラスコーチの藤井かれんです。
秋から冬にかけて、全国各地でマラソン大会が続々と始まっています。
年明けの大会エントリーも始まり、すでに当選発表が終わった方も多いのではないでしょうか?私も、2月は北九州マラソン、3月はさが桜マラソンを走る予定です!!
「次こそサブ4を目指したい!」
そんな想いを抱いている皆さんへ。
今回は、ランニング未経験からスタートして1年半でサブ4(4時間切り)を達成した私、藤井かれんの経験をもとに、“サブ4への道のり”をお伝えします。
ぜひ、参考にしてみてくださいね!
■ サブ4とは?
サブ4とは、フルマラソン(42.195km)を4時間以内で走ること。
1kmあたり 約5分40秒前後 のペースを42km続ける計算です。
私の初マラソンは2022年11月の福岡マラソン。
タイムは 4時間58分59秒。
完走できた喜びの一方で、「もっと走れるようになりたい」と感じました。
その1年後、2023年10月にaile RUNNING CLUBに入会。

本格的に練習を始め、わずか5ヶ月後の2024年3月、佐賀桜マラソンで3時間56分台のサブ4を達成しました。
最初は1kmを7分ペースで3km走るのが限界だった私が、本格的に練習を始めてわずか半年でサブ4を達成することができました。
■ サブ4は、想像以上に難しい
サブ4を目指すにあたって、まず知っておきたいのがその『難しさ』です。
ここでは、サブ4がどのくらいハードルの高い目標なのかをお伝えします。
「1kmを5分40秒で走り続ける」
数字だけ見ると、そこまで速く感じないかもしれません。
でも、このペースを42km途切れずに維持するのは本当に難しいんです。
マラソンの終盤、30kmを過ぎたあたりから体も心も削られていきます。

脚が重くなり、ペースが落ち、心の中で「もう歩きたい」と何度も思うのがマラソンです。
それでも走り続けられるかどうかが、サブ4を達成できるかの分かれ道になります。
実際のデータを見ても、サブ4は決して“当たり前”ではありません。
東京マラソンなどの大規模大会の統計では、完走者全体のうちサブ4を達成できるのは約2〜3割。
男性ランナーでも約30%、女性ではわずか10〜15%ほどです。
つまり、完走できる人の中でも、上位2〜3割に入らなければ届かない目標。

「誰でもできる」ではなく、「続けた人だけが届く」それがサブ4です。
では、サブ4を達成するために具体的にどんな練習をしてきたかを紹介します!
■ 練習量の変化
本格的に練習を始めるまでは、ジョグ中心で月100〜150kmほどでした。
クラブに入ってからは、月200kmを超えるようになり、週1回のスピード練習とジョグを組み合わせる形に。
“走る量”を増やすよりも、“走る質”を変えたことが大きなポイントでした。
■ サブ4を目指す人に必要な練習
① インターバル走
スピード持久力をつける練習です。
1本ずつのペース管理が大切で、「同じリズムで最後まで走ること」がサブ4への近道。

練習の一例
- 1km × 4〜6本(Rest:90秒) →1kmのペース 4:50〜4:55/km
- 800m × 6本(Rest:200mジョグ) → 1kmのペース 4:40〜4:45/km
- 2km × 3本(Rest:3分) → 2km=10分(1kmのペース 5:00/km~5:10/km)
初めからこのタイムで走れなくても大丈夫です!
最初は自分のレベルに合わせて設定を下げ、最終的にこのタイムでインターバルをこなせるようになれば、サブ4は見えてきます!
② ペース走
レースに近いペースで走る練習です。
8〜10kmを、やや速めのペースで走ります。
- →1kmのペースが 5:20〜5:30/km 目安
一定のリズムを保ちながら走る力が、後半の粘りにつながります。
③ ジョグとロング走
ジョグは“つなぎ”の練習ではなく、土台を作る時間。
- 週1回のインターバル走を含め、月間走行距離は 200km~280km を目安にしっかりジョグを行いました。

月に1回は必ず、25km以上のロングジョグや3時間走を取り入れました。
距離を重ねることで、脚の持久力と心の余裕が生まれます。
また、ジョグのときにペースを気にしすぎると、走ることが辛く感じてしまい、続けるのが難しくなります。
ペースは気にせず、「気持ちよく走ること」を意識すること。
それが、ランニングを長く続けるための一番の秘訣です!
サブ4を目指すための練習表
| 3ヶ月前 | 2ヶ月前 | 1ヶ月前 | レース本番の月! |
|---|---|---|---|
| 月間200〜220km | 月間220〜280km | 月間200〜220km | 調整で練習量をおとして |
| メニュー | 設定タイム | 1kmのペース |
|---|---|---|
| 800m × 6本 (Rest 200m ジョグつなぎ) |
800m 3分44秒〜3分50秒 | 1km 4:40/km〜4:45/km |
| 1km × 4〜6本 (Rest 90秒) |
1km 4:50/km〜4:55/km | 1km 4:50/km〜4:55/km |
| 2km × 3本 (Rest 3分) |
2km 10分〜10分20秒 | 1km 5:00/km〜5:10/km |
①インターバル走と②のペース走の練習どちらかを週1〜2回実施して、あとはしっかりジョグを行う事を意識するのがポイントです!
上記の表を参考にぜひ、練習をしてみてくださいね!
■ 練習によってシューズを変える
初心者だった私がランニングクラブに入って驚いたのは、練習内容によってシューズを履き替えるということ!!

最初は「走るのに靴を変える意味があるの?」と思っていました。
でも、実際に使い分けるようになって、その違いをはっきりと感じました。
● ジョグ用シューズ
ジョグシューズは、クッション性が高くて足への負担を減らしてくれるタイプがおすすめです。

長い距離をゆっくり走るときや、リカバリーの日に履く靴。
地面からの衝撃を吸収してくれるので、ケガの防止にもつながります。
柔らかい履き心地で、ジョグでも自然と姿勢を整えてくれる印象です。
“リラックスして走るための靴”という位置づけですね。
● スピード練習用シューズ
インターバルやペース走では、軽量で反発力のある靴を使うのがポイントです。
軽くて反応が速いシューズに履き替えることで、足さばきが変わり、スピードを出しやすくなります。
筋肉に「速く動く」感覚を覚えさせることができるんです。
私がサブ4を達成したときに履いていたのは、アシックスの「MAGIC SPEED(マジックスピード)」。

カーボンプレート入りで、反発をしっかり感じられる一足です。
最初は違和感がありましたが、スピード練習を重ねるうちに体が慣れていき、レース当日も軽やかにリズムを刻めました。
このように、ジョグ用=体を守る靴、スピード用=体を仕上げる靴として使い分けるのが理想です。
練習でスピード用のシューズを履いておくことで、レース本番に履いたときも違和感がありません。
「この反発の感じ、知ってる!」という安心感が、走りの安定にもつながります。
靴を変えるだけで、脚づくりや意識のスイッチも変わる。
それを実感できたのは、私がサブ4を達成できた理由のひとつだと思います。
■ どの記録を狙うのにも、何より大切なのは「気持ち」
走れない日があったり、思うようにペースが上がらない日もあります。
でも、最後に目標を達成するのは「諦めなかった人」です。
私が初めてサブ4を達成したのは、大雨でコースが冠水したさが桜マラソン2024。
「こんなんじゃ記録なんて狙えないよ」と思うほどの悪天候でした。

(itoixの靴下が大活躍しました!)
※悪天候のさが桜マラソンの様子
それでも“今日こそ絶対にサブ4を達成する”と心に誓い、最後まで走り切りました!
そして次の挑戦は、熊本城マラソン2025。目標はサブ3.5。(3時間30分切り)
4ヶ月前の福岡マラソン(2024)では3時間50分。
「まだ、サブ3.5を狙うのは早いんじゃない?」と多くの人に言われましたが、私は自分を信じました。
“できる、大丈夫、挑戦してみたい。”
その気持ちが、私の背中を押してくれました。

結果は 3時間30分38秒。サブ3.5は達成できませんでした。
ゴール直後、悔し涙を流していた私に、記者の方が声をかけてくれました(笑)。
でもその涙は、悔しさだけではありません。ここまで努力してきた自分を思い出した瞬間、自然と涙があふれました。
あの日の涙は、“こんなに頑張ったからこそ流せた涙”。
悔しさと同じくらい、やりきった充実感と誇りがありました。
「全力を出し切れた」
そう思えたことが、私の中では何よりの収穫であり、成長の証です。
■ おわりに
マラソンは、結果だけじゃなく“過程”がすべてだと思います。
目標に届かなかったとしても、努力した時間は決して無駄にはなりません。

これから目標に向かって頑張ろうとしているランナーの皆さん。
一歩ずつ、自分のペースで大丈夫です。
一緒に頑張っていきましょう!
マラソンに挑戦する皆さんの参考になる下記の記事も、ぜひチェックしてみてくださいね!
執筆:藤井かれん(aile RUNNING CLUB)

◆資格◆
日本ランニング協会認定ランニングアドバイザー
プロギングジャパン理事
走り始めたばかりの方やビギナーさんを中心に、ランニングの楽しさを伝える活動を行っている。毎月1回、女性限定の練習会も開催中。 また、ゴミを拾いながらジョギングをする“プロギング”の普及を目指し、プロギングジャパンのメンバーとして福岡を中心に活動している。
◆愛用しているitoixの靴下◆





