新年あけましておめでとうございます。
aileランニングクラブ 熊本エリアコーチの窪田忍です。
昨年は記事を読んでいただきありがとうございました。
「itoixの記事読みました!」とお声がけいただくこともあり、大変感謝しております。
これからも皆様の役に立つような記事を書ければと思っています。
2026年もどうぞよろしくお願いいたします。
さて、新年最初の記事ですが、今回はマラソンで記録に伸び悩んでいる方に向けた内容となります。
現役を引退し、市民ランナーの方々を指導する立場になり約1年経ち、強く感じていることがあります。
それは、「しっかり走り込んでいるのにタイムが出ない」という方や、「後半にどうしても失速してしまう」という方が非常に多いことです。
かくいう私も、現役時代には多くの失敗を繰り返してきた中で感じたこと、実際にやってみたからこそ分かったことが数多くあります。
そこで今回は、私の経験から、“やり方を間違えやすい、だけどぜひやって欲しい”マラソン練習を3つご紹介します。
ぜひ一度立ち止まって読んでみてください。
①LSD(ロング・スロー・ディスタンス)
1つ目の練習は、LSDです。
読んで字のごとく、長く・ゆっくり走る練習となります。
最も基本的、かつ重要な練習です。月に2,3回行えると良いと思います。
意味合いとしては、『長時間身体を動かすことに慣れる』という狙いがあります。
実は、私はこの練習が苦手でした。
ゆっくり走るだけで、きつい練習ではないのになぜ苦手だったのか?
それは、『無意識にペースが上がってしまう』からです。これをご覧になっている方の中にもいらっしゃると思います。
もちろん、それはそれで良いことでもあります。
しかし、この練習の目的は、『長時間動き続ける』ということと、『あえてペースを上げない』ということです。
『あえてペースを上げない』という練習はあまりやらないと思いますが、これが意外と重要になってきます。
後半失速してしまう1つの大きな要因として、前半に余計なエネルギーを使い、後半の失速に繋がっているパターンが非常に多いです。
LSDでそれをやるということは、いわば“良くないパターンの練習”をしてしまっている訳です。思い当たる節のある方も多いのではないでしょうか?
マラソンにおいて、ペースコントロールは非常に重要です。
『あえてペースを上げない』『我慢する感覚』が、本番でも必ず活きます。
目安として、まずは100分くらいから。
できれば2時間、余裕があれば3時間まで伸ばせると非常に良いです。

↑数人で会話しながら走るのも良いですね。
こういった『地味な練習』が重要な土台となってきます。
②ショートインターバル
2つ目は、ショートインターバルです。
正直なところ、市民ランナーの方が一番“やり方を間違えやすい練習”が、このショートインターバルだと感じています。
私自身、実業団時代もそうでしたが、 「速いペース=良い練習」 と思い込みやすい分、狙いがズレやすい練習でもあります。
◆メニューとペース設定
具体的な内容としては、400m×10~20本や、1000m×6~10本が目安です。
トラックの経験がある方は、3000mや5000mの目標タイムの平均ペースよりも2~3秒/km 速くなるように設定してください。
経験のない方は、まずはマラソンの目標ペースより5秒/km 程度速いペースから。
余裕があると感じたら、徐々にペースアップしてみましょう。
ペース感覚が曖昧なかたは、一度3000m~5000mを全力に近い形で走ることをおすすめします。
『自身の現状』を知ることが、ショートインターバルでは重要です。
◆リカバリーで練習の質が変わる?
リカバリー(1本1本の間)は、200m~400m、あるいは1分~2分ジョグを目安に、走力によって決めてください。
ここでありがちな失敗が、“リカバリーを取り過ぎてしまう”ことです。
私自身、指導している際にもよく見かけますが、
・1本1本は速い
・でも毎回しっかり回復してしまっている
この状態だと、どうしても中距離的な練習になってしまいます。
あくまでもマラソンのための練習なので、イメージとしては、1本ずつ区切るような『点』の練習ではなく、負荷が右肩上がりになっていくような『線』の練習を意識しましょう。
この負荷を経験することが、マラソンの後半の粘りに繋がってきます。

◆なぜマラソンにショートインターバルが必要なのか?
マラソン練習というと、長い距離を走る練習が主で、インターバルは必要ないのでは?と思う方も多いかもしれません。
それでも、私がショートインターバルをおすすめする理由は大きく2つあります。
1.スピードの強化
こちらは言わずもがなですが、スピードを底上げするため。
スピードを強化することで、相対的に目標とするマラソンのペースが楽に感じるようになってきます。
また、マラソンという長丁場を走るためには、体力だけでなくメンタル面の余裕も非常に重要です。
「練習でこのくらいのペースまでは上げられた」という気持ちがあるだけでも、本番における安心感は全然違うでしょう。
2.ランニングエコノミー、フォームの改善
マラソン練習で長い距離の練習が増えると、どうしても走りが小さくなりがちです。
ショートインターバルのような速いペースの練習を入れることで、自然と動きが大きくなり、結果としてスピードを出しやすいフォームが身についてきます。
このフォームの改善が、スピード強化にも繋がる好循環を生み出します。
細かく挙げると他にもありますが、まずは上記2点を意識しながら取り組んでください。
ただし、スピードを出す分、怪我のリスクは確実に上がるので、 「走れた」だけで満足せず、練習後のケアまで含めてトレーニングだと考えてください。
また、コンプレッション系のアイテムを活用することで、より練習効率を上げたり怪我のリスクを抑えることも期待できます。
過去にいくつかコンプレッションアイテムを紹介しているので、参考にしてください。
vol.99 『コンプレッションアイテム』最近よく目にするけど何が良い?
③変化走
ここでいう変化走とは、20km~30kmの距離をペースに変化をつけて行う練習です。
私が現役時代に最も苦手としていた練習がこれです。
そして今振り返ると、この練習をもっと丁寧に積み重ねられていれば、違った結果になっていたのではないかと感じることもあります。
だからこそ、個人的にはマラソンにおいて最も重要な練習だと思っています。
◆変化走の具体例(目標がサブスリーの場合)
ここでは、サブスリーを目標とした場合の例をご紹介します。
20kmの変化走を行うとすれば、2km+3kmを4セット行います。(リカバリーはありません。)
設定ペースは、2kmを5分/km、3kmを4分15秒/km です。
3kmを目標のペースに設定し、2kmはその+40~50秒/kmに設定します。
このペース設定を参考に、自分の目標に合わせて設定してみてください。
◆この練習の狙い
この練習の一番のポイントは、目標タイムのペース感覚を身に着けつつ、ペースを自分でコントロールする力を身に着けることです。
遅いペースから入ることで、十分に身体を温めてからペースアップする意味合いもあります。
また、ただの20km走と違い、ペース変化があることで気持ちを切り替え、練習に対するマンネリ化を防ぐ効果も期待できます。
ただし、実際にやっていただくとわかりますが、ペース変化がある分、一定のペースで走るよりも非常にきつくも感じます。
特に後半はそれを顕著に感じますが、それがまた本番の30km以降を彷彿とさせ、精神的な練習にも繋がります。

↑誰かと引っ張り合いながら走るのも有効です。
◆ここに注意して取り組みましょう!
ここで注意して欲しいのは、正しいペース設定で行うということです。
よく耳にするのが、「サブスリー目標だから、速めのペースの4分/km で30kmを追い込んで実施する」といった練習です。
もちろん、非常に良い練習ですし、こなすことが出来れば大きな自信になります。
しかし、その方法だと、『30kmを2時間で走る練習』になってしまう可能性があると私は考えています。
現に、20kmまではいけたがきつかったのでやめた、その練習はこなせたのに本番では後半失速してサブスリー出来なかった、という声も聞きます。
LSDでも挙げましたが、マラソンでは『ペースコントロール』が重要です。
自分がいまどのくらいのペースで走っているかを把握し、感覚的にペースコントロール出来るようになりましょう。
◆最後に・・・
いかがでしたか?
上記練習以外に、普段のジョグについても過去に触れているので、こちらも参考にしてください。
ここまで紹介しておいて言うのもはばかられますが、これが絶対に正解!というマラソン練習はありません。
私自身、現役時代には正解だと思っていた練習で失敗したり、同じ失敗を繰り返したり、数多くの『失敗』を経験してきました。
そんな私が、「今」一番大切にしていることは、『楽しみながら』走ることと、『状態を把握しながら無理せず長く走り続けること』です。
私がコーチを務めるaileランニングクラブでは、そんな私の経験を踏まえ、ただ練習メニューを立ててそれをこなすのではなく、『なぜ』『なんのため』の練習なのかを一緒に確認しながら練習に取り組んでいます。
マラソンは、一人で走るのも良いですが、誰かと走ることでずっと楽しく、楽に走れると思います。
長文になりましたが、今回の記事が皆様にとってなにかのきっかけになれれば幸いです。
余談ですが、今年も熊本城マラソンに出場します。
今回お話しさせていただいた、『走る楽しさ』を伝えられるよう、最後まで笑顔で走り抜けたいと思います!
まさかないとは思いますが、もしきつそうな表情をしているところを見かけましたら、容赦なく晒してください。(笑)
2026年も、一緒により良いランニングライフを過ごしましょう!








