こんにちは、窪田忍です。
今回は、9月20日~21日にかけて行われた、アクトレップ株式会社(NPO法人日本ウルトラウォーキング協会)が主催する「阿蘇山1周と豊後街道ウルトラウォーキング120km」への出店・出場レポートをお届けします。
熊本でのイベント出店はitoixとして今回が初。さらに自身にとっては、「もう二度と出場しない」と心に決めていた長距離ウォークへの再挑戦でもありました。
ブースで感じたウォーカーの皆さんの熱気、想像を超えた120kmの過酷さ、そして今回の挑戦を通して感じたことをお伝えします。
◆熊本初出店!2時間弱で約50足がウォーカーのもとへ
スタート前、会場に設置したitoix特設ブースには、これから120kmという距離に挑む参加者の方々が次々と足を運んでくださいました。
120kmという極限状態を歩くウルトラウォーカーにとって、足の蒸れやマメといったトラブルへの対策がとても重要です。
熊本県内でのブース出店は今回が初めて。長距離ウォークへの親和性は、我々が一番感じていたものの、実際にウォーカーの皆さんにどのように受け入れていただけるのか、期待と同時に不安もありました。
そんな不安をよそに、多くの方に興味を持っていただき、結果として、スタート前のわずか2時間弱で約50足のitoixソックスを手に取っていただくという、非常に嬉しい反響をいただきました。
『ウォーカーの足元を支えたい』という想いが伝わったこと、挑戦のスタート前に多くの方と直接言葉を交わせたことは、本当にありがたかったです。
◆北海道マラソンを経て、再び自分と向き合う「120km」へ
ブースを終え、いよいよ選手としてのスタートラインへ。
今回itoixからは私を含め5名が120kmのコースにエントリーしました。
実は以前、長距離ウォークに挑戦した際、そのあまりの苦しさに「もう二度とこんな過酷な大会には出ない」と心に誓っていました。
しかし、夏の「北海道マラソン」を終えたとき、自分の中にふつうと沸き上がる想いがありました。
「もう一度、過酷なことにチャレンジして自分と向き合うべきではないか」
「ただ愚直に歩くことで自分自身と向き合う時間を作ろう」
さらに私にとって今回の開催地は、日頃からランニングや指導の活動拠点としている馴染み深い土地です。
だからこそ、阿蘇の外輪山や豊後街道がどれほど厳しく、甘くないコースであるかは歩かずとも理解していました。
もちろん目標は「120km完歩」。
しかし最低でも、前回の記録である56kmを超えることを目標に一歩を踏み出しました。

◆20kmを過ぎて一変。待っていたのは想像以上の過酷な道
スタート直後は熊本の街並みから平坦な道を進みます。
熊本城付近も歩き、半ば観光気分でした。
自宅近くを通るということもあり、途中で家族も応援に来てくれました。

しかし、20kmを過ぎたあたりからコースは一変します。
舗装路の領域を超え、まるで本格的な登山のような急勾配と不整地。

頭では理解していたつもりでしたが、実際に自分の足で歩いてみると想像をはるかに超える過酷さでした。1歩足を進めるたびに、傾斜が容赦なく脚全体へ負荷をかけていきます。
さらに待っていたのが、豊後街道の石畳です。

石畳と聞くと風情があって聞こえは良いですが、整地されていない石の上を下ります。
江戸時代に参勤交代で使われていた道だそうですが、「昔の人は、本当にこんな道を歩いていたのか……」 そんなことを考えながら、一歩一歩進みました。
そして、豊後街道を超えた頃、別の問題が襲いかかります。
前回の挑戦でも苦しめられた「足底筋の痛み」がやってきました。しかも、距離を考えると前回よりもかなり早い段階から痛みがではじめました。

一歩踏み出すごとに足裏へ走る痛み。
歩き方を変えながら、だましだまし前へ進みましたが、ついに限界が訪れました。
45km地点で、リタイア。
目標としていた前回の56kmにも届かず、私の阿蘇120kmの挑戦はここで終わりを告げました。
◆残ったのは「もう歩きたくない」ではなく「圧倒的な悔しさ」
前回の長距離ウォークでリタイアしたときは、ただただ疲弊し、「もう二度と歩きたくない」という強い拒絶感しか残りませんでした。
しかし、今回の45km地点で真っ先に込み上げてきたのはまったく違う感情でした。
「めちゃくちゃ悔しい。」
自分と向き合うために、もう一度挑戦すると決めた。
それなのに、前回の56kmすら超えることができなかった。
自分の力不足を突きつけられたようで、本当に悔しかったです。
でも、振り返ってみると、この「悔しい」という感情を持てたこと自体が、前回との大きな違いだったのかもしれません。
一度は諦めたはずの長距離ウォーク。しかし、本気で挑んだからこそ出会えたこの悔しさは、自分自身がまだ前に進みたいと思っている証拠でもあったと思います。
◆仲間の初完歩。そしてその挑戦が教えてくれたこと
自分がリタイアした一方で、ともにスタートを切ったitoixの仲間たちは見事な踏ん張りを見せました。
私以外のメンバーは全員無事に120kmを完歩。

そして何より胸を打たれたのは、このとてつもなく過酷なコースにもかかわらず、メンバーのうち2名が「長距離ウォーク初完歩」を成し遂げたことでした。

夜を徹し、痛みに耐え、一歩一歩前へ進み続けてゴールを踏んだ仲間の姿。
LINEで経過を追いつつ、ゴールの報せを聞いたとき、自分の悔しさを忘れるほど、まるで自分事のように誇らしく、嬉しさが溢れ出しました。
同時に、「自分も、同じゴールを目指したい」
そんな気持ちも芽生えていました。
◆最後に
今回の「阿蘇山1周と豊後街道ウルトラウォーキング120km」は、私にとって苦いリタイアという結果に終わりました。
しかし、得たも大きく、確かなものでした。
挑戦しなければ、この悔しさを感じることすらなかったと思います。
大人になればなるほど、失敗を恐れて安全な道を選びがちになります。
けれど、「本気で挑戦すること」の重要性と、限界に挑む姿そのものが周囲に大きな感動と勇気を与えるということを、仲間たちの完歩と自分自身の悔しさを通して改めて教えてもらいました。
ブースでitoixソックスを手にとってくださったウォーカーの皆様、過酷な大会を作り上げてくださった主催のアクトレップ株式会社様・NPO法人日本ウルトラウォーキング協会の皆様、本当にありがとうございました。
この45kmの悔しさを胸に刻み、そして私自身も、また新たな挑戦へと一歩を踏み出します!








