Vol.126 aile RUNNING CLUBと地域部活動

こんにちは、窪田忍です。


最近、私が活動している中で「地域部活動」という言葉を耳にする機会が増えました。

皆さんは、この言葉を聞いたことがあるでしょうか?


これまで中学校の部活動は、学校の先生が顧問となり、学校の中で行われるのが当たり前でした。


しかし現在全国的に、生徒たちの選択肢拡大や部員不足、指導者不足など様々な背景から、「学校だけで支える部活動」から、「地域全体で支える活動」に少しずつ変わってきています。


これが、いわゆる『地域部活動』です。


私は現在、熊本県大津町で「地域部活動コーディネーター」としても活動しています。

この取り組みは、私個人だけでなく、aile RUNNING CLUBとしても大切にしたい活動のひとつだと感じています。


今回は、私たちが地域部活動とどのように関わっているのか、そしてそこにある想いについてお話ししたいと思います。


◆aile RUNNING CLUBとしての想い


地域部活動のために特別な取り組みを始めたというより、aile RUNNING CLUBが大切にしてきたことが、結果として地域の教育現場とも重なっていった、というのが正直なところです。


しかし、 aile running CLUB の本拠地である福岡でやってきたことが県の地域部活動担当者の目に留まり、声をかけていただきました。


aile RUNNING CLUBとして、何よりも大切にしていることは 、競技者である前に“人として成長する”ということです。


(過去記事:Vol.119 速くなることだけではない。aile RUNNING CLUBコーチたちの想いと、指導の背景にあるもの)


速く走れることももちろん大切です。

しかしそれ以上に、挑戦する姿勢や仲間を思いやること、人とのつながりを大切にすること。


そういったところが、その人自身を大きく成長させると考えています。


人と人との“縁”が広がっていく。


これはまさに私が学生時代から恩師・大八木弘明監督から教わり 、今でもずっと大切にしている考え方です。


そしてその想いが根付いているチームは良いチームになっていくと私は信じています。


地域部活動に関わるということは、単に走りを教えることではありません。

学校の外で、中学生たちの成長に関わっていくことでもあります。


私自身、教育や指導に関わる立場として、その責任をしっかり持ちながら向き合っていきたいと思っています。


aile RUNNING CLUBはそんなチームであり続けたいと思っています。


◆私が熊本で活動する上での想い


現在私は熊本を拠点に、幼稚園でのかけっこ教室から大人のマラソンまで非常に幅広い世代の指導に関わらせていただいています。


その中でも、私の根底にあるのは

『“走る”ということを楽しみ、もっと好きになってほしい』

という想いです。


例えば、幼稚園児や小学校低学年の子どもたちには 、本格的な陸上競技の指導というよりは、遊び感覚での身体の動かし方を中心にいろいろな動きを経験してもらっています。




当たり前ですが、全員が最初からうまく出来るわけではありません。

習熟度に関しても個人差があります。


その中でも印象的なのは、たくさんの子ども達が、教室を通して笑顔で走り回っているということです。


できなくても挑戦する。

失敗してもまた笑顔で挑戦する。

そんな姿を見るたびに、私自身も本当に嬉しくなります。


また、教室が終わる頃には、


「もっと走りたい!」「まだ終わりたくない!」


そんな声を聞くことも少なくありません。


この年代の子どもたちには、身体を動かすことそのものを好きになってもらいたいと思っています。


走ることは、どんなスポーツにもつながる“基礎”です。

将来、どんな競技に進むとしても、「走る」が好きであること、身体を思い通りに動かせることは、大きな財産になるはずです。




その中で、もし陸上競技に興味を持ってくれたなら嬉しいですし、「もっと走ってみたい」と思ったときに、その次の選択肢が地域の中にあることも、とても大切なことだと思っています。


それこそが、本来の地域部活動のあるべき姿のひとつなのかもしれません。


小学校高学年から中学生 になってくると、少しずつ競技としての専門性も出てきます。


とはいえ、まだ将来どんな競技に進むかは分かりません。

現に私自身も、中学生まではテニスをしていました。


だからこそ今思うのは、早い段階でひとつのことだけに偏るよりも、さまざまな動きを経験しながら、身体をうまく使えるようになることの方が大切だということです。


また、いつも同じ練習ばかりでは、どうしても飽きてしまいます。


私自身が実体験をベースに必要だと感じた動きはもちろん、日々新しいことに目を向け、それぞれの子どもたちにとってより良い・楽しめる練習方法はないか常に考えていきます。


競技力を伸ばすことはもちろん大切です。

ただ、それ以上に意識しているのは、次のステージでも活躍できる”のびしろ”を残すこと。

中学生という時期は、完成させる時期ではなく、可能性を広げる時期だと思っています。




部活動という観点から見ても、一部のレベル の高い子どもだけが満足できる場所ではなく、所属する全ての子どもにとって「ここにいていい」と思える 場所であるべきではないでしょうか。


陸上を通して、そんな居場所をつくっていきたい と思っています。


◆最後に


『地域部活動』と聞くと 部活動がなくなり、クラブチームで高いレベルの子どもしか活動を継続できないと不安になる方 もいるかもしれません。


でも、本来そうあるべきではないと私は思っています。


aile RUNNING CLUBとして大切にしているのは、レベルではなく、「もっと走りたい!」という気持ちです。

その気持ちを大切にしながら、地域の中で子どもたちの成長を支えていく。


それが、私たちなりの地域部活動との関わり方です。


現在、 aileの活動拠点は、福岡、北九州、久留米、そして熊本の4拠点ですが、 今後、全国にこの“縁”を広げていきたいと考えています。


執筆担当

窪田 忍(aile RUNNING CLUB 熊本 代表)

窪田 忍(くぼた しのぶ)

aile RUNNING CLUB 熊本エリアコーチ

経歴

鯖江高校(福井)/駒澤大学(東京)/トヨタ自動車(愛知)/九電工(福岡)

駒澤大学では、大学三大駅伝に4年間すべて出場。
区間賞5回獲得(出雲2回、全日本1回、箱根2回)したほか、日本人トップ4回。


実業団では、2015年・2016年と、トヨタ自動車史上初となるニューイヤー駅伝連覇に貢献。
引退後、幼稚園児〜大人まで幅広い世代の指導を行っている。
また、オンラインにて全国のランナーに向けたレッスンも行っている。

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