こんにちは、窪田忍です。
“かっこよく走りたい”
“きれいなフォームで走りたい”
ランナーの方々にとって、その思いは誰しもが抱いている感情ではないでしょうか。
きれいなフォームで走れるということは、それだけ動きの無駄がなく走れているということでもあり、速く・楽に走るためにもとても大切な要素です。
かくいう私も、現役の頃は『多くの人に見られるなら、少しでもかっこいいフォームで走りたい』と思っていました。
ありがたいことに、「フォームがきれいですね」と言っていただくことは多かったのですが、私自身一度として自分のフォームに満足したことはありません。
それでも、試行錯誤を重ねる中で、 分なりに手ごたえを感じたことはあります。
指導者となった現在、これまで様々な試行錯誤を繰り返した上で発見・実感したことを、少しでも市民ランナーの方々でも実践しやすいようにと考えています。
しかし、その一方で、感覚や身体の動かし方は人それぞれで違うため、コツを伝えることの難しさも同時に感じています。
そこで今回は、ぜひ押さえておいてほしいポイントや、逆に陥りがちなミスを、私なりの観点から4つご紹介します。
◆腕振りで意識すること
“マラソンの後半に腕が疲れる”という方は少なくないと思います。
私は走っていてほとんど“腕が疲れる”ということはありません。
たまに腕をダラリと下げることはありますが、それは腕が疲れたからではなく、身体をリラックスさせるためにやっています。
では、腕振りのコツを3つご紹介します。
①肘から先は脱力する
しっかり腕を振ろうと思うと、肘から手にかけて力が入りがちです。
元々、私もそういった傾向がありました。
そうなると徐々に腕の上の方や肩も力んでいき、最終的に上半身全体が力んでしまいます。
上半身が力むと、呼吸も入りづらくなります。
そこでおすすめするのが、肘から先を脱力することです。
一度手首をブラブラさせるくらい力を抜いてみるのも良いでしょう。
すると思いのほか腕全体が楽になり、軽く腕が振れるようになります。
②“腕”ではなく“肘”で振る
これは意識の問題ですが、漠然と『腕を振る』ではなく、ピンポイントで“肘”で振るという意識を持ってください。
肘を意識することで、余計な箇所に力を入れず、コンパクトに腕を振ることが出来るようになると思います。
③応用編:広背筋(背中の外側)を意識する
これは意識するのが難しいですが、出来るようになると非常に強みになります。
肘で振る意識を説明しましたが、これに加えて“広背筋”を使えると一気に鋭い腕振りが可能になります。
この意識を養うための補強として、懸垂がおすすめです。
懸垂をするとき、腕の力で上がろうとするのではなく、肘と広背筋を寄せていく(近づける)イメージでやってみてください。(この時、写真の赤矢印のように外に開くイメージを持つとより広背筋を意識しやすいかもしれません。)


難しいですが、少しずつ“広背筋を使う”感覚が養えると思います。
◆真下接地、お尻で走るとは?
よく耳にする、「真下で接地する」という言葉。
私も初めて耳にした時、「どういうこと?」と思いました。
『走りながら真下に接地する』という感覚がまるでつかめなかったからです。
そのように意識をすると、上半身が反ったり、脚が空回りする感覚になりました。
そこで私が意識したのは、“前に出した脚に自分自身が乗っていく”という感覚です。
余計に脚を動かさず、前に出した脚に上半身を乗せていく。
そうすることで、自然と前傾姿勢が取れるようになった上、接地も良くなっていきました。
また、お尻で走る感覚については、お尻に力を入れられているかどうかも重要だと思います。
そこでおすすめなのが階段を使った動き作り。
・片脚を一段上に乗せて、その脚に加重していく。(このとき、前ももよりもできるだけお尻に力を入れる)

・徐々に前へと加重していき、後ろ脚のつま先が浮きそうなギリギリのところで一度ストップ


・そこから反動をつけず、前脚で地面を押すように一気に上へ(※この時、後ろ脚で地面を蹴らないように。)

この動き作りをすると、お尻に力を入れる感覚を養うとともに、真下接地した時の筋肉の使い方も並行して養えます。
◆つま先接地・踵接地、どっちがいい?
こちらはランナーの方なら必ずと言っていいほど耳にする、接地問題。
“フォアフット接地”、つまり“つま先接地”を試みた方も少なくないと思います。
フォアフットの方が速く走れると思われがちですが、これは半分正解、半分間違いだと感じています。
私はフォアフット接地気味ではありますが、走っている時は全くと言っていいほどその意識をしていません。
なぜなら、フォアフット接地は単なる“結果”でしかないからです。
市民ランナーの方が実践するフォアフット接地で非常に多く見られるのが、『地面に向かってつま先を突き刺している』様な接地方法です。
そういった方は、たいてい接地時に膝が伸び、膝下が前に出ています。
これは逆にブレーキをかける走りとなっているだけでなく、非常に強い負荷がかかっているため、故障のリスクが跳ね上がります。
重要なのは、膝より前に出た足をしっかり戻してきて、その結果としてつま先からの接地になっているということです。
しかし、これにはかなりの筋力・バネが必要です。
ですので、先ほど説明したように、意識してほしいのは接地ではなく“膝より前に出た足をしっかり戻す”という意識になります。
この感覚を意識できると、より楽に次の一歩につなげられるようになります。
◆ストライドについて
『速く走る、大きく走る=ストライドを延ばす』と考える方は少なくないと思います。
それはあまり得策ではありません。
そもそもこの“ストライド”とは、単に歩幅のことを指すのではなく、“接地から接地までの距離”なので、それを無理に伸ばそうとすると当然接地感覚も崩れます。
すると前ももに力が入ってしまい、無理にフォアフット接地をしようとした時と同じように、逆にブレーキをかけるような走りになってしまいます。
そこで私が意識していたことは、靴一足分、あるいはその半分程度、あえて手前(自分側)に接地するということです。
ただし、単に歩幅を狭めるのではなく、股関節を大きく使った上で“自分の方に戻してくる”という意識を持ちましょう。
すると自然と真下接地に近い形を取れるようにもなってきます。
◆最後に
冒頭にも述べましたが、身体の感覚は人それぞれです。
だからこそ、いろいろな人がやっていることを真似してみて、自分に一番合った方法を見つけることも非常に大切だと思います。
同時に、その過程を楽しむことも長くランニングを続ける秘訣ではないでしょうか。
今回の“窪田流”の感覚もぜひお試しいただき、自分に合った最適な走り方を探してみてください。








