Vol.23 佐久長聖高校3年目(前編)

こんにちは!藤井翼です。

母校、佐久長聖高校駅伝部での生活について語ってまいりましたが、いよいよ3年生時の出来事をお話します。

最終学年のはじまり

新入生も入学してついに最終学年になりました。
昨年の同タイム着差アリで敗北してからチームは意識が高まりました。

心身ともに気合いを入れて良いスタートを切りたかったのですが、2年生のときの怪我が長引いてしまい4月の試合に万全の状態で臨むことができませんでした。

目標はもちろん冬の全国高校駅伝での総合優勝。
しかし、それを成し遂げるためには個人のレベルアップが必要です。

まずは全国インターハイに出場し、しっかり結果を残すこと。
記録会等でタイムを上げていくことが課題となりました。

私は昨年と同様に3000mSCの選手に選ばれました。
しかし、冒頭でも言った通り故障が長引いてしまい初戦にギリギリ間に合った感じでした。

練習はまださほど積めてなく、不安しかありませんでした。
とにかく集中して走ることを意識して9分23秒のほぼ自己ベストタイでゴールできました。

これはしっかり練習をすれば今年は勝負できるかもしれないと思いました。

それからは故障もなく、順調に練習を消化していくことができていました。

予選でアクシデントとの戦い

そして迎えたインターハイ県予選。
昨年はギリギリで通過できましたが今年は優勝を狙っていました。
もちろん他校や後輩に強い選手がいたのでそう簡単にはいかないとは思っていました。

気合いを入れて前日練習を行っていたときに、事件は起きました。

補助競技場で調整練習をしていてjogのあとに流しを数本入れようと上着を脱いで、近くの芝生に置いておきました。

練習を終えて、上着を着て帰ろうとしたとき
左ポケットのあたりから「ブー、ブー」と振動が。
佐久長聖高校駅伝部は携帯が禁止なので持っていません。
何だこれは!?と思い上着を触っていたら左脇腹のあたりにいきなり痛みが。。。
脱いでみると、そこから1匹の蜂が飛んでいきました。
そうです。見事に蜂に刺されたのです。

刺されたところは腫れてきていたので急いで医務室に行きました。
普通は競技中の怪我等で行くところなので、蜂に刺されましたと言うのはなかなか恥ずかしかった記憶があります。笑

県予選前日にアクシデントがありましたが気持ちを切り替えて臨みました。

予選は余力を持って通過できました。
決勝前のウォーミングアップでは少し体調が優れず、記録を狙うのは難しいかなと少し弱気になっていました。

スタートラインにたったときには体が軽く、とても集中できていました。
スタートから自分のペースで走りました。
周りの音も聞こえないぐらい集中して走れていました。

最後までペースを落とさず走ることができ9分08秒の自己ベスト、16年ぶりの大会新記録で優勝することができました。

正直、自分が1番ビックリしましたね!

県予選タイム
3分02秒-3分02秒-3分04秒=9分08秒

 


しかし、ここで自分に自信がつきました。
次はインターハイ北信越予選です。
それまでの練習は更に強度をあげて、調子もどんどん上がっていきました。
村澤選手や大迫選手とも張り合えていました。

試合当日も調子は良く、まずはしっかり優勝して全国インターハイの切符を獲得することを頭に入れて臨みました。
やはり各県の強い選手が上がってきているので雰囲気も少し全国に似たような感じでした。
しかし、誰にも負ける気がしなかったのでスタートから自分のペースで飛ばしました。

そこに佐久長聖高校の2年生の後輩だけがピッタリ着いてきました。
なかなか離すことができず、ラスト1周手前まで着いてこられましたが、そこからはスパートをかけて引き離すことができました。
そして8分57秒の自己ベスト、大会新記録、長野県高校記録(当日)という好タイムでゴールすることができました。
両角監督にも褒めていただきました。

北信越予選タイム
2分57秒-3分01秒-2分59秒=8分57秒

 


ここで全国ランキングも日本人ではトップに立つことができました。
ライバルはケニア人留学生といったところです。

全国インターハイの会場は埼玉県の熊谷市です。
当時は熊谷が40℃を記録したばかりのときだったと思います。
とにかく暑かった記憶です。

予選はできるだけ体力を使いたくなかったので全力でゴールするつもりもなく、予選通過できれば良いと思っていたのでスローペースに持ち込みました。

他の選手にマークされているのはわかっていましたが、そんなことは気にせず走りました。
ラスト2周になったところで、トップスピードに切り替えて余裕を持って9分12秒のトップで通過できました。

全国インターハイ予選タイム
3分06秒-3分09秒-2分57秒=9分12秒

 

最後の全国インターハイ


そしてついに迎えた全国インターハイ決勝。
ケニア人留学生がいましたが、負けるつもりは微塵もありませんでした。
それにこの中で自分が1番速い!強い!と
自己暗示もかけていました。
決勝は積極的に勝負する!と決めていましたのでスタートから周りを気にせず、積極的に前に出ました。

周りの日本人集団は少し自重気味だったのでケニア人留学生だけが私に着いてきました。

完全なタイマン勝負になりました。笑
しかし先頭を走らせるのは嫌だったので並んではいますが、常に半歩前を走ようにしていました。

1000mの通過も同時。2000mの通過も同時でした。
2200m付近のハードルで私が少しつまずいてバランスを崩してしまいました。

そのタイミングでスパートをかけられて少しずつ差が広がっていきました。
私も余裕は全然ありませんでしたが最後まで諦めずに前を追いました。

しかし、最後まで4秒の差が縮まらず優勝は仙台育英のケニア人留学生。
私は日本人トップの2位でゴールしました。

全国2位で日本人トップ。
本来なら嬉しい結果ではありますが優勝を狙っていたので悔しい気持ちしかありませんでしたね。
これは冬の全国高校駅伝に全てぶつけるしかないと心に誓いました。

次の後編はいよいよ全国制覇がかかった駅伝です。

 執筆担当

藤井翼(aile RUNNING CLUB 代表)

藤井翼(ふじい つばさ)

aile RUNNING CLUB 代表

経歴

◯出身校
元岡中学校(福岡県)/佐久長聖高校(長野県)/山梨学院大学(山梨県)

中学3年時には1500m、3000mの2種目で全国大会に出場。
高校は長距離の名門、佐久長聖高校に進学。
チームメイトにはNIKEの大迫傑がいる。
個人種目では3000mSCを専門とし、3年時のインターハイ北信越大会では当時の長野県高校記録となる8分57秒をマーク。その後の全国インターハイでは優勝した留学生に次ぐ日本人トップの2位に入る。
冬の全国高校駅伝では日本人チームの高校歴代最高タイムで総合優勝。個人でも5区(3km)を8分24秒で走り区間賞。これは現コースになってから最も速いタイムであるため、コース新記録という扱いになっている。

◯保有資格
日本体育協会公認スポーツリーダー/日本陸上競技連盟公認ジュニアコーチ

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