こんにちは、aile RUNNIMG CLUB ビギナークラスコーチの藤井かれんです。
2025年11月9日。
今年で12回目を迎えた福岡マラソンが開催されました。
私がコーチを務めるaile RUNNING CLUBの仲間も多く出走し、天神のスタート地点には緊張とワクワクが入り混じっていました!

今回は
私自身が走りながら感じたこと、初心者でもイメージしやすいコースの特徴、大会当日のリアルなエイド情報、そしてレースを通して改めて気づいた“挑戦することの素晴らしさ”
をまとめてお届けします。
読み終わったとき、 “一歩踏み出してみたい” と思ってくれたら嬉しいです。
▼福岡マラソンはどんな大会?
福岡マラソンは、九州最大の繁華街・天神からスタートし、海沿い・松林・大学キャンパス・糸島の大自然へと続く、美しい景色の変化を楽しめる42.195kmです。
都会 → 海 → 自然
まるで福岡の魅力を“そのまま走る”ようなコースで、全国からランナーが集まる人気大会です。

2025年大会データ
出走者:13,212人
完走者:12,724人(完走率96.3%)
コースにはアップダウンがあり、後半の海風も相まって難易度は高め。

しかし制限時間は7時間と、初心者でも挑戦しやすい設定です。
(参考:下関海峡マラソン 6時間/さが桜マラソン 6時間30分)
▼前日のEXPOも大盛況
大会前日の7日・8日はランナー受付とEXPOが行われました。
会場では多くのランナーさんが雨予報に備えてレインウェアや帽子を購入していました。

その中でitoix(イトイックス)の靴下も販売。
雨予報だったこともあり、多くのランナーさんに手にとっていただきました。
▼出走レポートとコース紹介!!
ここからは、実際に私が走りながら感じたことと、コースの特徴を合わせて紹介していきます。
★スタート〜5km
曇りのち雨、気温20℃・湿度87%というタフな条件の中、1万人以上のランナーが天神の街へ飛び出しました。

スタート直前に雨が強まりましたが、号砲の頃には弱まり、沿道には応援の方がたくさん。
その光景に胸が熱くなり、自然と脚が前に出ます。
私はBブロックに並んでいましたが、30秒ほどでスタートラインを超え順調に走り出しました。
【コースポイント!!】
最初の1kmは気づかないくらいの緩やかな下りです。ここはついペースが上がりがちなので注意が必要です。
オーバーペースにならないように気をつけました。

★5km〜10km
天神を抜け百道へ。
福岡タワーやPayPayドームが見える“福岡らしい景色”に心が軽くなります。
8km付近にあるマリナ大橋の登りも、応援が多くあっという間に通過。

雨は上がり、湿度でじわじわ汗が噴き出し始めた区間でした。
【コースポイント!!】
約8km付近のマリナ大橋、約200mくらい登りますが、すぐに下りますので難易度は低めです!

★10km〜15km
松林を抜けると長垂海岸へ。
能古島を望む、美しい海沿いの区間です。
風が強いことも多いですが、今年は比較的穏やかでした。
応援もまだまだ多く、励まされながら進みます。

ただ湿度の影響が出始め、15km付近では「あと27km…持つだろうか?」と不安がよぎるコンディションでした。
私と同じように、湿度の影響を受けはじめたランナーさんが多くいました。
★15km〜21km
九大坂!前半最大の山場の登場です。
17.5kmあたりから九大の大通りへ入り、緩やかなアップダウンが続く区間に突入します。
特にファミリーマート付近の700mの登りはじわじわ脚にきます。
辛い場所でもありますが、応援が多いのもこのエリア!
また、折り返しゾーンなので、仲間とエール(声援)を交換できる場所でもあります。

今年も、たくさんのメンバーとすれ違い、声を掛け合ったことで再び気持ちが前向きになりました。
今年はこの辺りから、太陽が見え始め暑さを感じ始め、脚が一気に重くなりました。
【コースポイント!!】
ゆるやかなアップダウン。700mの登りは、やや前傾になりながら、淡々と登る。折り返し手前で約20km地点。折り返してすぐに登りなので我慢すること。

★22km〜30km
九大の折り返しを終えて元岡小学校を左折すると、空気が一変します。
一気に応援が減り、ここからが“本当の福岡マラソン”。
27km付近では、九大坂のダメージが脚に出てかなり苦しい時間でした。
ただ海沿いに近づくにつれ応援が増え、少しずつ前へ進む力が戻ってきます。
しかし、さっきまで太陽が出ていたのに、海沿いの風が冷たく、身体がどんどん冷えていきました。

【コースポイント!!】
海風の影響を受けるエリア。一気に身体が冷え始める場所でもあります。給食の牧のうどんが名物です!今年はなんと「豆乳うどん」でした。
30km〜35km
30km手前の「ざうお」付近を越えると、いよいよ大きな壁“のらん坂”が登場します。

デイリーヤマザキ付近から始まる約600mの登りは最大の難所!

登りきったあとも、緩やかに登っていく・・・。本当に辛い場所でした。
二見ヶ浦の夫婦岩付近が35km地点となります。
★35km〜40km
絶景とアップダウンの共存エリア。
夫婦岩を通過すると絶景が広がりますが、アップダウンも連続します。
脚は重く、呼吸も荒く、正直ここからはかなり苦しい時間。
それでも沿道からの「あと少し」「絶対いけるよ」の声が、何度も背中を押してくれました。
【コースポイント!】
疲労の影響でかなりキツイので30kmを過ぎて油断しないこと!

★40km〜ゴール
40kmを過ぎてすぐ、小さな橋の登りが現れます。
「最後の最後にこれ…?」と思うほどキツい場所でした。
残り2kmと分かっていても足が前に出ない。
それでも「絶対に歩かない」と決め、少しずつ前へ。
ゴールに近づくほど応援が増え、気持ちも高まり、そのままフィニッシュへ。

たくさんの方が応援してくれて、諦めずにゴールへ向かいました。
【コースポイント】
小さな橋が最後の難関!ここも踏ん張りどころです。

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▼福岡マラソンの給食(エイド)紹介
マラソンの楽しみといえば、景色もそうですが、やっぱり給食も魅力的ですよね!
今年の福岡マラソンのエイドです。ご当地の銘菓から果物まで!しっかり揃っていました。
(私は記録を狙っていたので食べれませんでした・・・)

特に牧のうどんは人気で、「これを楽しみに走っている」という人も多いです!
▼福岡マラソン、それぞれのドラマ
今年の福岡マラソンは湿度が高く、かなり難しいコンディションでした。
私は サブ3.5(3時間30分切り) を目指して、この大会に挑みました。
仲間もきっと達成できると思ってくれていたし、 私自身も「いける」と信じていました。
でも、レースは甘くありませんでした。
後半の坂と湿度が身体に重くのしかかり、結果は 3時間30分12秒。
たった12秒届かなかった悔しさは大きかったです。
それでも、 沿道の応援、仲間の声、支えてくれたボランティア。
そのすべてが背中を押してくれ、最後まで諦めず走り切ることができました。
結果だけがすべてじゃない。
諦めずに挑戦することに、意味がある。
走りながら強くそう感じました。

aile RUNNING CLUBの仲間も、それぞれの目標を胸に42.195kmに挑みました。
完走クラスのメンバーは14人中13人が完走。
思うようなタイムが出た人もいれば、悔しさを噛みしめた人もいて、ゴール後の表情は本当にさまざまでした。
私が担当しているビギナークラスからも、初めてフルマラソンに挑戦したメンバーがいました。
そのうちの一人はゴール後、涙を流しながらこう話してくれました。
「本当に辛かった。途中で何度も心が折れそうになった。
でも、東京から来ていたランナーさんが“大丈夫ですか?”と声をかけてくれて、最後まで一緒に走ってくれた。あれがなかったら完走できなかったと思う。
次は、さが桜マラソンに向けてもっと練習して頑張りたいです。」
見ず知らずのランナー同士で支え合い、励ましながらゴールへ向かうストーリーを聞き、胸がぎゅっとなりました。
記録が出た人も、そうでなかった人も。
笑顔でゴールした人も、涙でゴールした人も。
同じ42.195kmでも、ひとりひとりにドラマがありました。

改めて、マラソンは自分との戦いだけど、誰かの応援や支えが大きな力になるスポーツだと感じました。
▼メンバーが着用しているitoixの靴下はこちら▼
▼ ゴール後のトークショー
走り終えたあと、私は あと12秒… という悔しさを抱えながらも、泣く間もなくステージへ向かいました。
志村美希さんとのトークショーに登壇するためです。
せっかく雨の中でも話を聞きに来てくれるランナーさんがいる。
そのことを思うと、悔しさに浸っている暇はありませんでした。
レースと同じように ここでも全力で挑もうと、気持ちを切り替えました。

今回のテーマは「走るって楽しい」。
志村さんは競技者、私は陸上未経験から走り始めたランナー。
歩んできた道はまったく違うのに、
“走る楽しさを伝えたい”という想いは同じ という共通点から、このトークショーは実現しました。

雨の中、たくさんのランナーが待っていてくれ、今日のレースを一緒に振り返る時間は、驚くほど温かく、心がほぐれるような空間でした。
そして最後に、こんな質問がありました。
「頑張れない瞬間に、どうしたらまた前に進めますか?」
私は、今日のレース中に感じたことを思い出しながら答えました。
「今まで頑張ってきた練習、自分を支えてくれた人たちの顔を思い出すと、不思議と力が湧いてきます。
ここまで努力してきた自分を信じてあげられたら、きっともう一歩踏み出せますよ。」

それは間違いなく、今日の私自身が体験したことでした。
このトークショーを通じて気づいたのは、やはり結果だけが価値じゃないということ。
ゴールに至るまでの努力や、挑戦する姿こそが、人の心を動かし、自分自身をも強くしてくれると強く感じました。
走ることの素晴らしさを伝えるためのステージだったはずなのに、実は私がいちばん救われた時間でもありました。
▼来年挑戦したい人へ
完璧な準備は必要ありません。
まずは「走ってみたい」という気持ちだけで十分です。
福岡マラソンは、景色も応援も、ドラマも、人の温かさも詰まった大会です。
来年はあなたも、天神のスタートラインに立ってみませんか?

aile RUNNING CLUB では、来年も「福岡マラソン完走クラス」を実施します。
そして通常クラスも随時募集しています。
一緒に、目標に向かって頑張りましょう。
挑戦するあなたを、心から応援しています。
執筆:藤井かれん(aile RUNNING CLUB)

◆資格◆
日本ランニング協会認定ランニングアドバイザー
プロギングジャパン理事
走り始めたばかりの方やビギナーさんを中心に、ランニングの楽しさを伝える活動を行っている。毎月1回、女性限定の練習会も開催中。 また、ゴミを拾いながらジョギングをする“プロギング”の普及を目指し、プロギングジャパンのメンバーとして福岡を中心に活動している。
◆愛用しているitoixの靴下◆




