こんにちは。
aile RUNNING CLUB ビギナークラスコーチの藤井かれんです。
2月15日に開催された北九州マラソン2026。
約1万3千人が出場しました。

スタートラインに立つ人数は同じでも、
走る理由も、背負っている想いも、それぞれ違います。
同じ42.195kmでも
その意味は一人ひとりまったく違いました。
今回の北九州マラソンで、私はそれを強く感じました。
印象に残っているお二人のランナーさんにお話を伺い、改めて「同じ42.195kmでも、こんなにも違う物語があるのだ」と実感しました。
そのドラマを、ぜひ皆さんにもお伝えしたいと思っています。
最後まで読んでいただけると嬉しいです!
◆61歳、10年ぶりのサブ3(3時間切り)
北九州クラスの藤田さんは61歳です。

今回、10年ぶりにサブ3(3時間切り)を達成されました。
まず藤田さんのお話をご紹介する前に、「そもそもサブ3ってそんなに難しいの?」と思われる方もいるかもしれません。
フルマラソンで3時間を切るということは、男性で全体の約3%、女性では1%未満しか達成できないと言われています。
1kmあたり約4分15秒のペースを42.195km維持し続ける必要があります。
計画的なトレーニングと高い走力が求められる、市民ランナーにとって大きな壁です。
そんな難易度の高い目標を、なぜ61歳で達成できたのか。
藤田さんに当日の想いを伺いました。
藤田さんの自己ベストは、2011年の湘南国際マラソンで
2時間54分09秒。
そこから10年ぶりのサブ3復帰を目標に、今回のレースに臨まれました。
スタートラインに立った時の気持ちは、
「気負わず焦らず目標に向けて頑張るしかない」
前向きに、自分と向き合いながらのスタートだったようです。
レース中、最も印象に残っている場所を伺うと、38km手前でした。
「aile RCの応援が道路を跨いだ反対側なのにクリアに聞こえて熱くなった」
きつい終盤で、その声は確実に届いていました。

(写真=道路を跨いだクラブのメンバーの声援に応える藤田さん)
そしてゴールへ向かう直前。
対向から走ってきた6時間ペーサーに、
「いけますよ(サブ3)」と声を掛けられたそうです。
そのペーサーは、北九州クラスの沙莉愛コーチでした。
門司港へ向かうコーチと、ゴールへ向かう藤田さん。
ほんの一瞬のすれ違いでした。
でもその瞬間には、これまで積み重ねてきた時間や、沙莉愛コーチと藤田さんの強い絆が詰まっていたのではないかと私は感じました。
ゴールした瞬間の気持ちは、
「やった。出来た。ホッとした」
その言葉に、すべてが詰まっているようでした。
年齢を重ねるにつれて、
「昔出来ていたことが出来ない。出せていたタイムが出せない」
と、過去の自分と比べてしまうこともあったそうです。
それでも、なぜもう一度サブ3を目指したのか。
「このまま歳を重ねて衰えていくのかなと思い始めていた頃、もう一度サブ3が出来たら色んなことに対して自信になるんじゃないか。還暦過ぎてサブ3出来たらカッコよくないか、という浮ついた気持ちもありました」
と、話してくださいました。
61歳でのサブ3。
藤田さんご本人も嬉しかったと思いますが、何より、応援していた私たちが勇気をもらいました。
年齢は、挑戦をやめる理由にはならない。
それを背中で見せてくれた42.195kmでした。
そして、そんな藤田さんを北九州クラスで支えてきた沙莉愛コーチにも、またひとつの物語がありました。
◆誰かのために走る6時間
北九州クラスの沙莉愛コーチは、今回6時間の公式ペーサーを務めました。

(写真=ペースメーカーを務める沙莉愛コーチ(右))
サブ3を達成した藤田さんを日々指導している沙莉愛コーチにも、お話を伺いました。
今回、公式ペースメーカーを務めることになり、どんな気持ちでしたか?
「6時間走り続ける事自体初めてでしたので不安もありました。でも大会公式のペースメーカーも初めてで、楽しみな気持ちも大きかったです」
スタートは最後尾でした。
「“自分たちも6時間の長旅が始まる!”とドキドキわくわくしていました」
ペーサーとして大切にしていたことは、
「淡々とペースを刻む事。あとは周りに少しでも声掛けをし一緒に頑張ってもらう事」
と話してくださいました。
今回、ペーサーとして印象に残っている出来事も伺いました。
40kmの関門を過ぎた時、
「今日が100回目のフルマラソンなんですが、このままいけばゴールできますか」
と声をかけられたそうです。
沙莉愛コーチは、
「一緒に着いてきてもらえれば確実にゴールできます!」
と背中を押しました。
そのランナーは無事にゴールし、感謝の言葉を伝えてくれたそうです。
ペースメーカーは、多くのランナーの背中を押す存在なのだと感じました。

さらに、今回の北九州マラソンで嬉しかったことを伺いました。
「私がaileRCを北九州で始めて、最初に加入してくださった生徒さんが、加入当時の目標“サブ3”を達成しました。真面目に練習へ通ってくださる生徒さんの頑張りが実った瞬間は本当に嬉しかったです」
そして、
「ペーサーをしながら私は門司港へ向かう。その生徒さんはゴール直前ですれ違う事ができ、そこで私もサブ3を確信し、走りながら涙が出てきました」
現役時代、フルマラソンに取り組んでいたわけではなかったそうです。
「設立当初は自分も勉強しながら、フルマラソンに対して手探りでの指導でしたが、ようやく結果が出たことに“やってきた事が間違ってなかったな”と安堵の気持ちもありました」
ゴール直前のすれ違い。指導する側と、挑戦する側。
その一瞬に、北九州クラスのこれまでの時間が交差していました。
私はその話を聞きながら、胸が熱くなりました。
最後に、沙莉愛コーチからメッセージをいただきました。
「試合では、いつもは自分が頑張る側でしたが、誰かのサポートとして大会に参加する事はとても有意義な時間でした。また、普段は目にしない大会関係者の方々を見て、改めて1つのマラソン大会に多くの方の協力がある事を実感しました。
皆さんも沢山の運営に関わる方への感謝の気持ちを持ち、大会に参加する事で、きつい時や諦めそうな時に“沢山の方が協力してくれている大会だから、自分もあと少し頑張ってみよう”とエネルギーにかえて走れるのではないでしょうか」
走る人だけではなく、支える人にも物語がありました。
◆私が感じたこと
お二人のインタビューをご紹介させていただきました。
いかがでしたか?
実は、私も北九州マラソンに出場していました。
12月から怪我で思うように練習が積めず、13km地点で痛みを感じ、25kmで途中棄権しました。
25km地点は、aile RUNNING CLUBの仲間が応援している場所でした。

「あと少し、あの幟まで」と思いながら走りました。
そして25km地点は、折り返して37km地点でもあります。
途中棄権した私は、そのまま仲間の応援に回りました。
そして、折り返してきた藤田さんを見届けました。
みんなで声を張り上げ、全力で応援しました。
後日、藤田さんのインタビューを通して、あの応援が届いていたことを知りました。
本当に嬉しかったです。
応援の力はすごい。
走る人にも、支える人にも、
それぞれの42.195kmがありました。
◆同じ42.195kmでも、意味は違います。

あなたにとっての42.195kmは、どんな時間でしたか?
今回、北九州マラソンを走った方も、
また別の大会を走った方もいらっしゃると思います。
サブ3を達成した人。
誰かのために走った人。
途中で止まった人。
目標に届いた人。
届かなかった人。
どれも、その人だけの42.195kmです。
今回のインタビューを通して、私は改めてそれを強く感じました。
マラソンは、タイムだけでは語れません。
その人がどんな想いでスタートし、
どんな気持ちで走り、どんな決断をしたのか。
そこに、その人だけの物語があります。
◆北九州クラスのご案内
今回、感動のお話を聞かせてくださった、北九州クラスの沙莉愛コーチと藤田さん。
そのお二人が、日々練習を重ねている北九州クラスで、一緒に走る仲間を募集しています。

年齢も、目標も、経験もさまざまです。
それぞれが、それぞれの想いを胸に走っています。
もう一度挑戦したい方。
目標を持って走りたい方。
年齢を理由に諦めたくない方
初心者の方も大歓迎です。
ぜひチェックしてくださいね!







